窓に影2
同じテーブルでケーキを突きながら様子をうかがう。
何考えてるかわかんないし、何してくるかもわからないし。
「そんなに警戒すんなよ」
また心を読まれた。
わかってるなら、来ないでよ。
「ケーキ食べたら帰って。歩が来ちゃう」
「冷たいなぁ。いいじゃん、十数年ぶりに三人で遊ぼうよ」
「遊ぶって……」
意図が見えない。
私には彼の心が読めない。
「良いんだよ、別に。今この場で恵里を襲っても」
「……何言ってんのよ」
本気なのか冗談なのかわからない。
でもそんなことされたら思いっきりひっぱたいてやる。
もう隙なんて見せないんだから。
「どうして弟の彼女に手を出そうとするの? その神経がわかんない」
わた兄は涼しい顔で紅茶を飲みながら答えた。
「弟の彼女だと思ってないからね」
「はぁ?」
「だから、俺と付き合おうよ」
「やっぱ意味わかんない」