愛してるを囁いて
私たちは教室に着いて自分の席を
探した。
「あ、私あそ..こ..?」
おそらく私の席であろう所に既に
誰かが座っていた..と云うか、人
だかりが出来ていて、その誰かが
座っているだけなんだけど、とて
もじゃないけど「すいません、そこ
どけてくれません?」なんて云えなか
った。隣では優良が「何よあれ~っ」
と文句を云っていた。
私はこの時まだ、子供で。
彼のことなんて知らなかった。