りんごな二人



この声は…………


声のした方を見てみると
やっぱり



手をあげている佐野君がいた。



一番嫌な展開で、私は動揺を隠せない。




「じゃあ佐野が弥生のほっぺにちゅうです!」



やだやだやだやだ。私はずっと
下を向いている。



そ、そうだ、トイレ行こう!


「あのっ私………」



「ごめん。
……俺好きな人いるから。」



トイレ行ってくると言おうと立ち上がろうとした瞬間、佐野君がしゃべりだした。


タイミングが悪かった。

ちょっと恥ずかしい。私はゆっくりと座り直す。





今、佐野君…………

やっぱり好きな人………





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