りんごな二人



佐野君が履いていたスニーカーがうつ向いていた私の視界に入ってきて、私は顔をあげる。



「りんご、いい?」


「えっ?」


り、りんごっ?


ニヤニヤしていた宏君と泰高君の顔が視界から消えて、少し赤い佐野君の顔だけしか見えない。



だんだん顔が近づいてくる。


こんなにじっくりみる佐野君の顔。


っそれどころじゃないよ!ちょっとまって、どうしよう。




私の後頭部が佐野君の手によって、軽く引き寄せられ佐野君の唇が、私の唇に触れた。



「んっ…」


わ、私、


佐野君とキスをしてるの?


夢?これは夢なのかなぁ。





なんか、ふわふわする。






< 59 / 73 >

この作品をシェア

pagetop