りんごな二人
佐野君が履いていたスニーカーがうつ向いていた私の視界に入ってきて、私は顔をあげる。
「りんご、いい?」
「えっ?」
り、りんごっ?
ニヤニヤしていた宏君と泰高君の顔が視界から消えて、少し赤い佐野君の顔だけしか見えない。
だんだん顔が近づいてくる。
こんなにじっくりみる佐野君の顔。
っそれどころじゃないよ!ちょっとまって、どうしよう。
私の後頭部が佐野君の手によって、軽く引き寄せられ佐野君の唇が、私の唇に触れた。
「んっ…」
わ、私、
佐野君とキスをしてるの?
夢?これは夢なのかなぁ。
なんか、ふわふわする。