りんごな二人
―――チュッ
唇が触れた。
「…やっぱりキス魔だ…。」
「ちゃんとついてきてね。」
なんて意地悪な顔で言うけど、
「佐野く……、
あ、涼汰だいすき。」
耳まで赤くなって、照れてる可愛い佐野君。
「暑っ」
あ、紛らわした。
「涼太は?私の事好き?」
「………好きだよ、若菜。」
電車の中って事も忘れるくらい、甘い。
ちゃっかり手なんか繋いじゃって。
「さっきあの人たちチューしてたね、ママ。」
そんな小さい男の子の言葉に
涼汰の顔と私の顔は
2人そろって
真っ赤のりんご…――。
E N D