キミ予報
俺は自身に問い掛けた。
今から黒澤を追うか、
最初から何も知らなかったことにするか。
もともと黒澤は車にひかれる運命だったわけだし、
俺に黒澤を助ける義務は無い。
けれどこのまま黒澤が事故に遭えば、俺の中に罪悪感が残るだろう。
「……」
俺は自分の手の平を見つめる。
さっき掴んだ黒澤の制服の感触がまだ残っていた。
手の平から時計に視線を移し、時間を確認する。
頭の中で残り時間を計算しながら、気付くと俺は教室を飛び出していた。