キミ予報
あの日、私は本当なら死んでいたかもしれなかった。
持田くんが助けてくれなければ。
横断歩道を渡っている途中、車が突っ込んできたところを、私は持田くんに助けられた。
持田くんは軽く車に跳ねとばされ、車は近くの店に衝突した。
あの日のことは、忘れたくても忘れられない。
あの光景は、脳裏に焼き付いて離れない。
救急車で運ばれた2人のうち、3日後に持田くんは助かった。
持田くんの目がかすかに開いた時は、本当に嬉しかった。
このまま死んでしまったらどうしようかと、不安で不安で怖かったのだ。
だが、運転手の人は手遅れだった。
後から聞いた話だけど、即死だったらしい。
私は携帯をポケットにしまい、家に向かって足を進めた。