キミ予報
昼休み。
俺は担任に呼び出され、廊下を歩いていた。
携帯を開いて時計を見ると、12時50分。
きっと、もうすぐ黒澤が来る。
「持田くんっ!」
少し後ろで彼女の声が聞こえた。
俺は振り向き、彼女の方に向かって走る。
本当に予報通り、何もないところでつまづいた黒澤。
俺は黒澤の下敷きになり、彼女は驚いた顔をしていた。
「……ご、ごめん!」
「……別に」
俺の上から降りた黒澤は、俺に手を差し出してきた。
その手を借りて立ち上がる。
彼女の手は、やはり温かかった。
「ごめんね」
彼女は申し訳なさそうに俺を見つめている。