俺様王子と貧乏姫様
私も一緒になって、隣の部屋の長いテーブルに運ぶ。
…思い出すなぁ。みんなでご飯食べてる時のこと。
私がボーっとしながら運んでいると、急に大声がして、思わず皿を落としそうになった。
声をした方を見ると、男の人がシェフの人と喧嘩をしていた。
「おい、なんだよ、この不味い飯は」
「す、すいません!すぐに作り直します!」
私はすぐ近くを通った美春ちゃんに小さく声をかけた。
「美春ちゃん、あれ誰?」
すると、美春ちゃんは急に顔が歪み、旦那様の息子の彰様で、俺様でわがままで不良なんだよ。と小声で教えてくれた。