恋愛日記
「え…私!?なんで…」
「言っただろ?2年前。“鈴香を好きになるってこともあるわけだし”って。気付いたら鈴香が俺の1番になってた。たくさん遠回りしたけど、俺と付き合ってくれますか?」

差し出された右手
そこにはケースに入った指輪
「安物だけど、受け取ってくれる?」

涙が静かに頬を伝う
「わ、私なんかで…いいの?」
「俺は鈴香がいいんだよ」
堰(セキ)を切ったように涙が止めどなく溢れる
「なっつ…っ!」

なっつにそっと抱きしめられ、私もなっつの背中に腕を回す
2年間の片想いが実を結んだ瞬間だった

長い道のりだったね、遠回りもたくさんしたね
愛しい人の温もりが、今こんなにも近くにある
1度体を離し、なっつが私の左手をとる
薬指にはめられた指輪
この世のどんなものよりも、キラキラ輝いて見える
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