らぶどっきゅん! ~ブスと呼ばれて16年.何故、私は綺麗になったか~



『ごめん…』


『ごめんていうのやめた方がいいと思う』


『……』


法也は気が悪そうにしている。


『あのさぁ、ちゃんと自分の顔見たほうがいいと思う。あの、いつも一緒にいる子達の方が人一倍可愛いと思う』


そうです。そうですね…。
私は自分の心に言う。心の中で雨が降る。怒りも悲しみも抱えている。
私は何故か節々が痛くなり始めた。皆そうやって顔のこと言うけど、本人、ズタぼろなんだよ。


『それって…やっぱり、駄目だってことだよね…?』


私は最後にしようと台詞を吐いた。
桃子と朔は意外な展開に、呆気にとられている。


『うん』


法也は目を合わせず、異端者扱いの目で見る。



それが、 許 せ な い 。


何故こんな顔でそんな目で見られなきゃいけないんだ。
やるせなさが込み上げる。…そうだ、自分はこんな時どうもできない。ただ言われるまま。


『で?俺帰るよ?』

法也は気分悪そうにしてベンチから立ち上がり帰って行く。
後姿を見ると、涙が込み上げる。



ようは、人生初めて、本気で好きになって、フられて、負けた気がした。
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