子供+大人=恋?の方程式





 そう言われて、初めて自分が頷いてしまっていたことに気づく。


 でも、ふと思う。


 このまま行けば、圭くんと二人っきりという地獄ツアーへ突入。


 きっと、いじめていじめていじめまくられるツアー。


 だけど、もし、この確かコウさんと一緒に回ったら………。


 地獄ツアーからは逃れられることは間違いない。





「一緒に行きます!」





 あたしの頭の中のそろばんが綺麗に弾かれたと同時にあたしはそう答えていた。


「はあ!? 

お前、何を勝手に…」


「まあまあ、圭史。

茅乃ちゃんの意見は大切にしないと」





 怒りの形相を向けていた圭くんを誠さんがなだめてくれる。


 そのことにホッとする。


 この後、家庭教師の日が来る時のことを考えると怖いけど、とりあえず今日だけでも逃げれるところは逃げないとね。


「じゃあ、茅乃ちゃん。

一緒に行こうか」


「はいっ!」





 綺麗な笑みに、あたしは素直に頷く。


 コウさんって、あたしの救世主だよ~…。


 感謝の気持ちでコウさんを見ていると、コウさんはそっとあたしの手を握ってきた。





 ―――え?





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