子供+大人=恋?の方程式


「俺たちの間に、感情なんてものはいらない。

初めにそう言ったのはお前だったよな? 静香。

だから、俺はお前との関係を持った。

あの日も言っただろ? 

俺たちの間に感情は入らない。

だから、俺に求めようとするお前とはもうやっていけないと思った。

それだけのことだよ」


「―――圭史…」





 特別感情なんて必要ない。


 それなのに、何でだろうな?


 茅乃はただの幼なじみ。


 家庭教師をしている相手。


 それだけなのに、俺はあいつのこととなると気になる。


 たぶん、あの時からだ。


 初めて見たあの時から―――…





 俺の中の茅乃は泣き虫で、いつも俺の後を追いかけてきていて、髪を耳の上の辺りでくくっている幼い女の子のままだった。


 それが、長年会ってなかったとはいえ、驚くほどの美少女に変わっていた。


 俺はたぶん、そのギャップに戸惑ってるんだ。


 だから、幼いままのイメージしかない俺は、茅乃がコウとあんな風に二人で一緒にいる姿にも違和感を感じてしまうんだ。


 そうだ。


 ただ、それだけのこと。


 それだけの―――…











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