子供+大人=恋?の方程式
「あたし、諦めないから」
突然言われた言葉に、俺は静香を見る。
すると、静香はやんわりとした笑みを浮かべながら俺のことを見てきた。
「あたしは、初めから圭史のことが好きだった」
「静香? お前、何を……」
「知ってたから。
圭史が絶対に女の子と付き合うことはないって。
だけど、一晩だけの付き合いはしてくれるって。
だから、嘘を吐いたの。
体だけの関係でいいって」
思いも寄らなかった静香の告白。
―――嘘?
静香が俺に言っていた感情なんて要らないという言葉は嘘だっていうのか?
初めからの付き合い。
その前提が俺の中で崩れていく。
だから、静香は俺にやたらと干渉してきだしたのか…。
でも、だからと言って、俺の考えが変わることはない。
「たとえ、そうだとしても、それなら尚更、お前とはもう関係を続けることはできない」
そこまではっきりと言ったのだから、静香も少しは諦めてくれるかと思った。
だけど、静香はやんわりと寂しそうに微笑むだけ。
「ねぇ、圭史。
あなたはどうして、誰とも付き合わないの?
あんなに優しくあたしを抱いてくれた。
それって、あなたの中にあたしのことを少しでも想う気持ちが…」
「そんなものはないっ!」