子供+大人=恋?の方程式
俺の置く深くまで入ってこようとする静香に、俺はつい声を荒げてしまう。
その声に気づいたのかびっくりした顔で茅乃が俺たちのことを見ていた。
ムカつく―――…
当たり前のようにコウと手を繋ぐ茅乃。
昔はいつも俺の後を追いかけてきていた茅乃。
それなのに、今では俺のことを毛嫌いしやがって。
おまけに、こんなに綺麗になりやがって。
ただの八つ当たりでしかない。わかってる。
だけど、俺は意味もわからず心の中で渦巻く感情に、どうすることもできなかった。
俺は前を歩く茅乃たちに近づくと、茅乃が繋いでいるコウとの手を引き離した。
突然のことに驚いた顔で俺のことを見る茅乃。
だけど、俺は自分でもわからないが、茅乃の手を強引に掴むとその場から走り出した。
「えっ!? 圭史!?」
後ろから誠の俺を呼ぶ声が聞こえてきたが、俺は足を止めることはなかった。