子供+大人=恋?の方程式











     *













「ちょ、ちょっと、

圭くん、圭くんっ!」





 何度目かの名前を呼ばれ、俺はハッとする。


 走っていた足を止めると、背中にドンッと衝撃が………


「ブッ! 

もう、いきなり止まらないでよ!」





 俺の背中にぶつかったらしい茅乃は、手で拳を作るとぎゃあぎゃあと振り回しながら怒る。


 怒るところはそこか?


 強引に連れ出したのは俺なのに、妙に冷静に思ってしまう自分がいた。


「お前………。

怒るのはそこだけか?」


「はぁ? 

そこだけって?」


「だから、さっきコウから強引にお前を奪って………」





 そこまで言うと、ジ~ッと蔑んだ目で俺のことを見てくる茅乃。


「へ~…。

圭くんって、一応怒られるかもしれないって思うんだ」


「なんだよ、その言い草は。

それじゃ、まるで俺がすっげぇ横暴な奴に聞こえるじゃないか!」


「うん。

だって、実際横暴じゃない。

何を今更」





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