子供+大人=恋?の方程式





 こいつ、どうしてこうもはっきりと言ってのける。


 ジロリと俺がひと睨みしてやると、ビクリと怯えるくせに。


 口の減らない奴だな。だけど、だからこそかもしれない。


 こいつは、俺の全てを知ってる。


 外見よりも中身を重要視して見てくれる。


 こんな風にはっきりと言ってくれる。


 だから、俺はこいつの前だと居心地がいいのかもしれない。


「ところでさ…、圭くん………」





 ビクビクしながら聞いてくる茅乃。


 さっき、冗談のつもりで睨んだのが結構効いているらしい。


「なんだ? 茅乃」


「結局さ、

さっきので完全にはぐれちゃったみたいなんだけど………。

みんなと」


「え? 

あ……、まあ、そうだな」





 俺はそれが狙いでもあったから、困りもしないけど………。


「こんなに人が多かったら、合流するのも難しそうだよね。

圭くん、携帯に連絡とか来てないの?」


「え? あ、ああ」





 そういや、この人ごみで音なんて聞こえないから、もしかしたら―――…





 ポケットに手を突っ込み、携帯を取り出すと着信履歴が十三件も表示されていた。


 それも、誠と静香の二人のみ。


 この短時間で十三件って―――…。


 怖~…。





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