子供+大人=恋?の方程式
ガバッと立ち上がるあたしに、真澄はびっくりして横の席に体をぶつけてしまった。
「真澄、大丈夫?」
「大丈夫って、聞きたいのはこっちのほうだよ。
一体なんなわけ?
クールビューティーの茅乃にしては珍しいほど荒んでるじゃない」
だから、その『クールビューティ』ってのは、誰が言ってんのよ。
「まあ、いろいろとあったのよ………」
「え?
いろいろって?」
キラキラした目で聞いてくる真澄。
ここにも、ママと同じような人種が………。
ハァと思わず溜息が漏れた。
「いろいろよ」
「えぇ!?
何よ、それ。
すっごく気になるんですけど!」
あたしの腕を掴んで体を揺さぶってくる真澄。
だけど、真澄に話す気はさらさらない。
絶対にこの前みたいに、面白がるに決まってるんだもん。
なのに―――…
「よっ! 茅乃! 聞いたぞ。
昨日の圭史とのデート!」
知られたくなくても、言ってしまう馬鹿が教室にやってきた。