子供+大人=恋?の方程式
「ちょっと、待てよ!
冗談じゃねぇぞ!」
「あら。
まだ、私は何も言ってないわよ?」
涼しい顔で何を言ってやがる。
「この状況で、一人暮らしの話が出るってことはその先に続く言葉なんて一つじゃねぇか!
一人暮らしを解消するとかいう話だろ!?」
「あらっ。察しがいいわね」
やっぱり………。
この話の流れから、それとしか考えられなかった。
「冗談じゃない!」
「それはこっちのセリフよ。
あんたが一人暮らししてるのは、あんたの我儘でしょうが。
本当ならここからでも充分に通える距離に学校はあるっていうのに、
あんたが一人暮らしをしたいって
半ば強引に出て行ったんじゃない」
うっ………。
なんとなく分が悪い………。
母さんが言っていることは、事実本当のことで………
顔を歪ませている俺を見て、母さんは勝負あったと思ったのか、話を畳みかける。
「あなたの我儘を母さんたちは許してあげてきたの。
一つぐらい、母さんの願いを聞いてくれてもいいと思わない?」
にっこりと微笑んで優しく言いながらも、その奥には
「言うことを聞かないとどうなるかわかってるんでしょうね!」
という無言の圧力を俺は肌身に感じた。