子供+大人=恋?の方程式
キッと睨みつけたことで、拓斗は口を閉じたものの、すでに遅かった。
拓斗が今言った言葉はきちんと真澄の耳に届いていた。
「でしょう!?
物事には順序というものがあって。
下調べはとても重要な役割を担っているの。
この情報が適当だと、失敗してしまうことがあるんだもの。
調べすぎと思うぐらいが丁度いいぐらいなのよ」
自信満々に言う真澄。
真澄の目は誰が見てもわかるほどキラキラと輝いていた。
そして、その目を見た時、あたしはもう止めることはできないのだと諦めた。
「ということで!
早速今日、授業が終わったと同時に行きましょう!
今週は運よく短縮授業だし」
善は急げとばかりに張り切る真澄。
そんな真澄を見、諦めの溜息を吐いた後、あたしは余計な一言を言い放った拓斗へと鋭い視線を向けた。
「拓斗…。
あんたにもこうなった責任の一環として、付き合ってもらうからね」
拓斗は表情を引きつらせながらも、仕方ないと思ったのか「わかった」と呟いた。
こうして、なぜかあたしたち三人は、圭くんが通う国立の有名大学であるU大へと行くこととなった。