子供+大人=恋?の方程式





 思いもしなかった単語が出てきて、あたしはポカンと口を開ける。


「あたしは、初めから圭史のことが好きだったの。

だけど、圭史はあの容姿でしょ? 

すごくモテてたんだけど、決まった彼女は誰もいなかったの」


「は、はあ……」





 今まで口が重かった静香さんとは思えないほど、静香さんはスラスラと聞きもしないことまで話してくれる。


「だけどね、

彼女は居ないけど、

一晩だけの関係を持つ女の人はたくさん居た」





 最低………。


 あんなにモテる顔なのに、彼女が居ないと言ったのはそういうわけか。


 鬼畜野郎だな。


「だからね、あたしは自分から持ち出したの。

気持ちを伝えて告白したところで、彼女を作る気がない圭史に振られるのは目に見えていたから。

身体だけの関係でいいって―――…」





 何も言えなかった。そうですかとも言えなかった。


 だって、あたしはその話を聞いて、少しだけだけど、ついていけないと思ったから。


 あたしは今までそれほど好きな人ができたことなんてなかった。


 だから、身体だけでもと思う気持ちが正直よくわからない。


「関係を持てば、圭史は振り向いてくれると思ってたの。

だけど―――…」





 予想は外れたというわけか………。





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