子供+大人=恋?の方程式
「ねぇ、茅乃ちゃん。
茅乃ちゃんは、どうやって圭史に気に入られたの?」
「・・・はい?」
今、なんて言いました?
あたしが、圭くんに気に入られてる?
「じょ、冗談はよしてくださいよ。
あたしと圭くんのどこを見たら気に入られてるってことになるんですか?」
「だって、この前大学に来た時も、それに、あのテーマパークでだって……」
「あれは違いますよ。
あれは圭くんの嫌がらせです。
圭くんは昔からあたしのことをいじめるのが大好きなんです。
あたしはその分、大っ嫌いですけど!」
一気に捲くし立てるあたし。
だけど、かなり嫌がらせみたいな感じでやられているのに、それを気に入られてるなんて勘違いされたら堪らない。
もしかしたら、圭くんの本性を知らない人は、圭くんがあたしをいじめているとは思わないのかもしれない。
だから、いじめるが気に入られているに変換しちゃってるんだ。
全く、迷惑な話。
あの大学での敵意に満ちた視線。
思い出すだけでも嫌になる。
「―――本当?」
「へ? 何がですか?」
「圭史のこと大嫌いって。
圭史のこと好きとかはないのね」
確認するように聞いてくる静香さん。
あたしはコクリと頷く。
途端に、明るい笑顔を浮かべた。