子供+大人=恋?の方程式
「よかった~…。
それじゃ、茅乃ちゃんがあたしのライバルになるということはないのね。
安心したわ~…」
すごくホッとした顔で言われ、あたしはなんとなく言葉の罠に追い込まれた気がしないでもない。
もしかして、静香さんはあたしの口からこの言葉を聞きたかったのかもしれない。
「ありがとう、安心したわ。
それじゃ、ここはあたしは払っておくから」
「え? あ、それは…」
「いいからいいから。
ゆっくりコーヒーを飲んで行ってね」
フフフと笑いながら、静香さんはお会計の紙を掴んで会計を済ませてしまった。
そして、一人、颯爽と帰っていく。
帰ってしまい、一人取り残されたあたしはなんとなく心の中がモヤモヤとする。
なんだろう?
初めは不安そうな顔をしていた静香さんにほだされて話していたら、つい静香さんの言葉の罠に陥ってしまってましたって感じ。
そりゃ、言ったことは全て本当のことだし、圭くんとどうにかなろうとか特別の感情なんてものはない。
それどころか、願わくばあまり係わり合いになりたくない。
それは静香さんから聞いた話もあるから。
それさえも、彼女の企みの一つなんじゃないかなと思ってしまう。
考えすぎかもしれないけど………。
だけど、あの静香さんのすっきりした顔。