子供+大人=恋?の方程式
嬉しそうに俺に言ってくる誠。
まるで、一本とってやったとばかりににやりと笑う。
「圭史はさ、茅乃ちゃんへの気持ちを、幼なじみだからっていう言葉で誤魔化してんだよ」
「な、なんだよ、いきなり―――…」
なぜかうろたえてしまった俺。
別に、うろたえるようなことは言われてないんだから。
俺は茅乃のことを幼なじみとして心配して。その気持ちに偽りなんてものはない。
だから、堂々としていればいい。
なのに、なんとなくさっきの誠の言葉は俺の胸に突き刺さった。
「まあ、圭史が幼なじみだって言い張るならそれでもいいけどさ。
あの美少女振りを見ると、ぐずぐずしてたら、横からあっという間に掻っ攫われるぞ」
「あ、それは俺も誠と同感」
軽く手を挙げ、誠に賛同する雅紀。
二人からじっと見られて、なんとなく俺は顔を逸らすしかなかった。
すると、今まで会話に入ってこなかったコウとばっちりと視線がかち合う。
だけど、なんとなくいつもの飄々としたコウではなく、コウはじっと俺のことを見ていた。