子供+大人=恋?の方程式
「―――圭史…」
怒りに戦慄いていたら、コウに名前を呼ばれた。
珍しく真剣な顔のコウになぜか身構えてしまう。
その先に続く言葉を俺はなんとなく予想ができてしまったから………。
「僕は本気だよ。
本当に、茅乃ちゃんのことが好きなんだ」
まっすぐに見つめてくるコウ。
その瞳に嘘はないように思えた。
それに、遊びなれている俺と違ってコウはモテるくせに今まで浮いた話の一つもない。
それだけ、コウが茅乃のことを本気で好きなのだということだ。
「なんで、俺にそんなことを言う?
本気で好きなら、俺にわざわざ言わなくても茅乃に言えばいいじゃないか」
「そうだね…。
だけど、圭史はそれでいいの?」
「別に―――…」
確かに茅乃は俺にとっては、大切な幼なじみで、教え子。
ただ、それだけの関係。
校内で『想い人』だと言ったことだって別に本心じゃない。
茅乃をからかうためと、うっとうしい女たちに対して、決定的なことが言いたかったから、利用しただけ。
だから、別にコウと茅乃がどうなろうが、俺には関係ない。
それに、遊びなら俺も口出しするが、コウが本気なら、構わない。
そのはず―――…