子供+大人=恋?の方程式





 ハァとわざとらしく溜息を吐く雅紀。


 俺はあえてそれを聞かないフリをする。


 そして、余計なことを考えないように一心不乱に黒板の文字を書き写していた。





 暫くの間、何も言わなかった雅紀。


 だけど、ふと雅紀は口を開いた。


「でもさ…。

関係ないって、そう思ってるくせに、テーマパークで茅乃ちゃんがコウと一緒に居た時、お前茅乃ちゃんのこと連れ去ったよな? 

あの時の気持ちは?」





 ―――あの時の、気持ち?





 あの時の俺は―――…


「俺にはあれは、お前の茅乃ちゃんに対しての独占欲に見えた」





 独占欲?


 俺が茅乃にか?


 意味がわからず、俺は雅紀のことを見た。


「俺、結構うれしかったんだぜ? 

お前、いつも誰にでも冷めた目でいただろ? 

だから、あんなに必死な顔でコウから茅乃ちゃんを奪っていったお前を見て、お前も必死になれるような奴を見つけたんだと思ったんだ」





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