子供+大人=恋?の方程式
講義前の教室は、すでにたくさんの学生が集まっており、それなりに喧騒に包まれている。
だけど、俺たちの間にだけ何かの幕で覆われているように、その喧騒が俺の耳には入ってこず、静かな空間に、俺はただ気まずい空気を感じていた。
気まずい空気の中、やっと口を開いたかと思うと、さっきまでの緊張感が嘘のように、コウはあっさりと言い放った。
「うん。知ってたよ」
あまりにもあっさりしすぎる言葉に、俺はつい椅子からずり落ちそうになる。
「だって、この前僕が宣言した時も、気づいてたから。
気づいてないのは、圭史だけだよ。
ね?」
コウは雅紀と誠に同意を求める。
すると、雅紀と誠は深く頷いた。
な、なんだよ、それは―――…
呆気にとられ、三人のことを見ていると雅紀はニッと笑う。
「だから、俺は言っただろ?
本当にいいのかって。
お前が、茅乃ちゃんのこと好きなのはテーマパークの一件からしても、バレバレだし。
だから、後で後悔しないように助言をしてやったんだろ?」
―――助言…。
あれって、助言だったのか………。