子供+大人=恋?の方程式





 あはははと未だに笑っている茅乃の頬を両手で摘むと俺は横へと引っ張った。


「ひっ、ひひゃいひひゃい!」





 綺麗な茅乃の顔が横へと伸びることで幼さが見えてくる。


 目の前で茅乃が痛がっているのを見ていると、なぜだか俺の中で満足感が広がってくる。


 ああ、そうか。


 俺は昔から、茅乃をいじめていたのは、俺の中でいじめられて困っている茅乃の姿が好きだったからなんだ。


「ほねひゃい~…。

ゆりゅしてくひゃひゃい~…」





 弱弱しく俺の手に自分の手を重ねてくる茅乃。


 茅乃に、俺に対する特別な気持ちなんてものはないのはわかってる。


 だけど、無意識に重ねられた手に、俺の心臓はドキドキしていた。





 この状態を続けていたら、俺がヤバイ。


 俺はパッと茅乃の頬から手を離す。





 手を離された茅乃は自分の頬を手で擦りながら、俺のことをキッと睨んできた。


「酷いよ、圭くん! 

圭くんはそう思ってなくても、あたしは一応女の子なんだからね! 

ほっぺが伸びすぎて顔がこれ以上丸くなったらどうしてくれるのよ!」





 これ以上って―――…。


 充分小顔だと俺は思うんだけど―――…





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