子供+大人=恋?の方程式


「うん。

この前偶然会った時にアドレス交換して、それからなんとなく続いてる」





 そんな話は初耳だぞ。


「続いてるって、どれぐらい!?」


「どれぐらいって―――…。

どうしてそんなこと圭くんに話さなくちゃいけないわけ?」


「そ、それは―――…」





 そう返されると困る。


 気になるから―――…。


 その一言が素直に言えないのが俺。


「な、なんとなくだよ。

なんとなく―――」


「なんとなく~?」





 眉間に皺を寄せて俺のことを見てきたかと思うと、茅乃は一言「うざっ」と呟いた。


 こ、こいつ、今「うざっ」って言ったか?


 それって、かなり俺、傷つくんだけど―――…


「こんなところでいつまでも立ち話してられないじゃない。


 ほら、圭くん。さっさと家に入って」





 さっき言った一言など気にも留めず、茅乃は俺の背中を押して家へと押し込んだ。


 だけど、俺の心はかなり激しく傷ついた。


 今まで、この顔のせいで女に好かれることはあっても、嫌われることなんてなかった。


 茅乃以外には―――…。


 だから、もちろん「うざっ」なんて言葉をもらうことも。


 これは、かなりダメージを受ける言葉だったんだな。





 今まで女に対して「うざい」と思い、あまりにもしつこい時は口に出していたけど、今度からはこういう言葉を使うのはやめておこう。


 これは、かなり傷つく―――…





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