子供+大人=恋?の方程式
自分の身に返ってきて、初めてそのダメージの大きさに俺は気づいた。
*
黒く長い髪を耳にかけ、軽くシュシュでくくってある髪。
いつもは私服姿の茅乃を見ることほとんどで、髪も無造作に一つに束ねていることが多かった。
それでも、綺麗に見えていたのだけど―――…
こいつ、いつもはこんな風にきちんと髪も整えて学校に行ってるのか?
これは、やばいだろ。
この容姿にきちんとすれば、男が惹かれないわけなんてない。
じ~っと見ていると、茅乃がチラリと視線をこっちに向けてきた。
その時の表情が正しく上目づかいに俺には見えて、ドキッとさせられた。
「―――あの、圭くん………」
まるで、何かをねだるように言ってくる茅乃。
それも、さっきと同じように上目づかいで見てくるから半端なくやばい。
「な、なんだ?」
冷静を装い、俺は何気なく茅乃を見る。
だけど、まっすぐは見れなくて、わずかに視線をずらした。