子供+大人=恋?の方程式


「あのさ…。

圭くんって、あたしのこと好きなの?」





 その途端、言われた言葉に、俺は頬杖をついていた手からガクッと顔を外した。


「な、なんだよ、突然!?」





 好きなことは好きだ。


 だけど、まさか茅乃から直接聞かれるなんて思ってもみなかった。


 やっぱり、結婚してもいいと言ったことでさすがの茅乃も気づいたか?


 だけど、それならそれで、そのほうが好都合だ。


 このまま行っても、茅乃は俺の気持ちになんて気づかない。


 それなら、俺の気持ちに気づいて意識してもらったほうが、何か進展があるかもしれない。





 そう思ったものの、逆の考えも起こる。


 もしかしたら、完璧に拒絶される恐れも―――… 


 くそっ!


 悩んでたらキリがない。





 俺は身を乗り出して、机の向こう側に居る茅乃との距離を詰めた。


「―――そうだったら、どうする?」





 余裕なんてものはない。


 だけど、俺という人間はこんな風な態度しか取れない。





 詰め寄った俺に、茅乃は顔を赤く染めながら、後ろへと身を引く。


「ど、どうって―――…」





 動揺する茅乃がわかる。


 俺は机の横に出て、より一層茅乃との距離を詰める。


「ちょ、ちょっと、圭くん、近い!」





 急に慌てだす茅乃。


 だけど、俺はそんなことなど気にせずにどんどんと茅乃へと近づいた。


 その距離、わずかに十センチ。





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