子供+大人=恋?の方程式





 説得するためにも、圭くんの情報は欲しい。


 どういう人物かということを知れば、どう話を持っていったほうがいいかと考えやすいし。


 だけどな………





 あたしはチロリと拓斗の顔を窺う。


 どう見ても、不自然に思っている今の拓斗。


 何も聞かずに素直に教えてくれるとは思えない。


「ハァ…」と溜息を吐いた後、あたしは拓斗へと鋭い視線を向けた。


「ホント理不尽」


「なんだよ、突然………」


「家庭教師付けられたの」


「家庭教師~?」





 言い返した後にプッと笑う拓斗。


 何がおかしい………。


 こうやって笑われると思ったから言いたくなかったんじゃないの!


「なんでまた………」





 笑いを抑えながら聞いてくる拓斗にムカつきながらも、あたしは素直に答える。


「この前の中間考査。
順位が下がってたから………」





 さすがに、順位が一つだけ下がってただけのこととは言えなかった。


 たとえ、拓斗がウチの母のことを知っていたとしても、恥の上塗りのような気がして………。


 また、とんでもないことを言い出したなと思われるのも癪だしね。


 やはり、変だとは思いながらも自分の母親。


 他人にそう思われるのは嫌だったりする。





< 25 / 509 >

この作品をシェア

pagetop