子供+大人=恋?の方程式
茅乃はジッと俺のことを見ていたかと思うと、急に視線を逸らす。
「別に深い意味はないの!
ただ、圭くんが結婚の話を持ち出したことを真澄に話したら、真澄が圭くんがあたしのことを好きなんじゃないかって言い出して、それで―――」
茅乃は落ちてきた髪を耳に掛けながら苦笑して、「そんなことあるわけないのにね」と言う。
その言葉に、俺の中に何かが弾けた。
「―――そうだけど」
「へ?」
きょとんとする茅乃。
「だから、お前の友達の言うとおりだって言ってんの」
「・・・・・・」
目をパチパチさせる茅乃。
そんな茅乃の額を軽くコツンと叩くと、俺は自分が元いた場所へと戻った。
「ほら、ボ~っとしてんな。
今は家庭教師の時間なんだからな。
その問題、さっさと解けよ」
俺は持っていたペンで手付かずの問題を指す。
そんな俺を放心した状態で見ながら、茅乃はゆっくりと問題を解き始めた。