子供+大人=恋?の方程式
珍しく静かな空間。
問題を解いている間はいつだって、静かだった。
だけど、今日はこの沈黙が特別に気になる。
「―――できました…」
小さな声で呟いたかと思うと、茅乃はそっと問題集を俺に差し出してくる。
それを受け取り、俺は採点する。
茅乃は元々頭がいいらしく、大抵、俺が言ったことは一度で覚える。
元々の成績もそれほど悪くないみたいだし、こっちとしてはやりがいを感じる生徒ではある。
「全問正解」
丸をつけ終え、顔を上げると、ジ~ッと俺のことを見てくる茅乃に俺は驚いた。
「な、なんだよ」
「ねぇ。さっきのって、本気?」
「さっきの?」
「だから、その…あたしのことを……」
言いづらそうに顔を下に向ける茅乃。
少し顔を覗くと、その顔は赤く染まっていた。
これ以上は茅乃の口からは言えなさそうだったから、代わりに言ってやる。
「好きってこと?」