子供+大人=恋?の方程式


『ごめんな。

メールの後でこんな電話して驚いただろ?』


「う、うん…」





 ええ、ええ、驚きましたもの。


 今現在もこの状況についていけてません。


『あのさ、俺、お前の部屋に鍵とか落としてないか?』


「鍵?」





 忘れ物で電話してきたのか…。


 ちょっと、ホッとしながら、あたしはベッドから降り、部屋の中を見回す。


「別に―――…。

鍵ってどんなの?」


『キーケースがついているやつなんだけど、後は鍵が三つほどついてる』





 それって、家の鍵とか車の鍵とか諸々じゃないの?


 圭くんはいつも車で来るのだけど、その車はいつも自分の実家の方に停めてくる。


 だから、恐らく、今日もそのように来ているはず。


 となると、自分の家からあたしの家に来た間ってことになるんだよね。


「ねぇ、圭くん。

その鍵って車の鍵も入ってるの?」


『ああ、入ってる』





 うわ~…。


 じゃあ、本当に失くした場所って限られるんだ。


 あたしの部屋に長い間、居たんだもん。


 ここが一番怪しいわよね。


 あたしは寝そべりながら、部屋の床を見た。


「―――あ…」





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