子供+大人=恋?の方程式
「そうなのか?
でも、いつも五十番以内のお前が家庭教師をつけられるぐらいだから、
よっぽど成績悪かったんだな」
アハハハハと笑う拓斗をぶん殴りたい衝動に駆られる。
何がそんなに面白い!?
得意げに笑いやがって~!
こっちとしたら、たった一つだけの順位。
そのことを、大笑いする拓斗に言ってやりたい!
こいつのことだから、きっと三十番ぐらい成績を落としたと思ってるんだ。
別に成績が下がったことを誰かに思われても構わないけど、こんな風に笑ってくる拓斗にだけはそう思われたくない。
絶対にこいつのことだから、俺の仲間入りとか思ってるんだ。
それだけは絶対にない。
赤点ぎりぎりの拓斗の仲間に入るようなことなんて、死んでも有り得ないんだから!
「それで?
話の流れ的に考えると、
その家庭教師が圭史だってか?」
ようやく笑いがおさまってきたのか、拓斗はあたしに聞いてくる。
それに、コクリと頷くあたし。
「そっか~…。
確かに、圭史って頭いいもんな。
今は有名な国立大学に通ってるんだろ?」
「………そうらしい…」
ママは確かこの前、そんなことを言っていた。