子供+大人=恋?の方程式











「あら、茅乃。

こんな時間にどこに行くつもり?」





 靴を履き、玄関のドアに手をかけたところで、ママがリビングから顔を出してきた。





 そんなママに、あたしは圭くんが忘れて行ったキーケースを見せる。


「圭くんの忘れ物。

家の前まで取りに来るから、外で待ってろって」


「まあ、そうなの。うふふふ」





 なぜ、そこでそんな嬉しそうな顔で笑う?


 全く持って意味が不明なんだけど………。


「ごゆっくり❤」





 だから、そこでなんで語尾に❤マークをつける。


 全く持って意味不明。


 ママの思考回路は何年経っても、わかんないよ。





 なぜか意味不明に笑みを浮かべているママをほって、あたしは家の外に出た。


 すると―――…


「遅い!」





 玄関から出た瞬間に言われた言葉。


 びっくりして目を凝らせば、門の前で仁王立ちする圭くん。


 忘れ物をしたのは自分のクセに、その偉そうな物言いに、ムカッとくる。


「あのね、忘れていったのは圭くんでしょ!? 

なのに、なに、その偉そうな言い方。

礼を言われても、文句を言われる筋合いはないと思うんだけど!」





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