子供+大人=恋?の方程式
こんなキーケースなんて、この場所から圭くんに向かって投げつけてやりたい気分。
だけど、それは思うだけで決して投げつけるなんて勇気はあたしにはない。
あたしはすごすごと圭くんの前まで行き、圭くんの手にキーケースを乗せた。
すると、あたしはいきなり腕を引かれた。
「うわっ!」
声を上げた瞬間に、あたしの頬に微かに触れる感触。
それが、圭くんの唇だということに、あたしはすぐには気付けなかった。
「―――これ、一応、礼な」
にかっと笑う圭くんを見て、あたしはまたしてもやられたのだと気づく。
「礼は言われるだけで結構です!」
くくくっと笑い続けている圭くん。
本当に、もう、最低最悪!
「あ、そうだ。
茅乃、明日って暇か?」
「明日?
別に、用はないけど………」
「わかった。
じゃあ、明日の十時に家まで迎えに行く」
「はい!?」
なんで?
どうして、そうなったわけ?