子供+大人=恋?の方程式
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用意はすでに万全。
あたしは勉強道具一式が入った鞄を見て、ハァと溜息を吐いた。
勉強道具を持ってこいってことは、もちろん、勉強をするってことだと思う。
問題は一体どこで、勉強をするのかということ。
そりゃ、認めたくないけど圭くんの教え方は学校の先生よりも上手かったりして、教えてくれるのは正直助かる。
今までチンプンカンプンだった数学は今では結構わかるし。
いつも解く前に構えていた応用問題も、難問も解かされているうちに、コツというものがわかってきた。
この応用問題にはこの公式とかいう風に。
だから、認めたくないけど、あたしの成績は上がっていると思う。
だから、助かることは助かる。
だけど、それは、圭くんがバイトとして働いているから。
今回は時間外労働だよ?
まさか、教えた見返りに何かを要求されるようなことは……ないよね?
―――なんか、すっごく不安になってきた。
今からでもいいから、仮病を使って、断ろうかな?
さすがの圭くんも体調を崩したとなれば、強引に連れ出そうとなんてしないはず。
うん、そうしよう!
自分の中で考えが纏まったところで、急に鳴る携帯にあたしはびっくりした。