子供+大人=恋?の方程式
いつも家でママが淹れたコーヒーをブラックで飲む圭くん。
だから、圭くんの家にミルクやシロップは必要じゃない。
お客さん用かもしれないけど、もしかして―――あたしのため…とか…考えるのはあまりにもおこがますぎるかな?
「ああ、お前、コーヒー、ブラックで飲めないだろ?
だから。
だけど、後で気づいたんだよな。
シロップやミルクを買うんじゃなく、お前の好みは知らないけど、適当にジュースを買っていたほうがよかったって」
そうだね。
そうかもしれないね。
だけど、あたしは、きちんと考えてくれたその圭くんの気持ちのほうがすごくうれしい。
「あ、ありがとう……」
あたしは、シロップとミルクを入れ、軽く混ぜると一口飲んだ。
それは、確かに苦くて苦手な味だったけど、なんとなくうれしい味だった。
「さてと、来たからには、今から勉強するか。
ほら、さっさと勉強道具出せ」
さっき一瞬、圭くんのこともしかして優しい人なのかなと思ったけど、撤回!
なんなのよ、この命令口調は。
やっぱり、圭くんは圭くんだ。
あたしは鞄の中から勉強道具を取り出すと、机の上にドンと置いた。
すると、圭くんは向かい側に座ったかと思うと、いきなりノートパソコンを置いた。
ん?
なんで、ノートパソコン?
不思議に思っていると、圭くんはあたしのことを見てきた。