子供+大人=恋?の方程式


「なに? 

もしかして、寂しいとか思ってる?」





 勝ち誇ったような意地悪な笑みを浮かべる圭くん。


 そんな顔をしているのを見てしまったら、反射的に「違う!」と口から出てしまっていた。


「べ、別に寂しいなんて思わないもん! 

それどころか、圭くんの家庭教師が終わるのかと思うとせいせいするんだから!」





 こんなことを言うと、また鋭く睨まれるのだろうと思っていた。


 だけど、今回は違ってた。


 圭くんは寂しそうに笑うと、

「そんなこと、わかってるよ」

と軽くあたしの頭をポンポンと叩いてきた。





 いつもとは違う圭くんの反応に、あたしは唖然。


 それどころか、初めて見る寂しそうな顔に、きつく言った自分の言葉に罪悪感まで湧いてきた。


「そういうわけだ。

俺はいつまでもお前を教えることはできない。

だから、少しでも早く結果が欲しいわけ。

だから、そうだな…。

いきなり十位以内は諦める。

そのかわり、三十位以内に入れるぐらいにはがんばってもらおうかな」


「えぇ!? 三十位!?」


「そうだぞ。

俺が三年に上がる前には、宣言どおり十位以内に入ってもらう予定だから。

それぐらいでちょうどいいだろ?」


「ちょうどいいだろって………」





 十位以内っていうのは、諦めてなかったのね。





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