子供+大人=恋?の方程式
「一人暮らししてんだ。
簡単な自炊ぐらいはできるようになるさ。
ていうか、やらないと生きていけない」
「はあ…。
だけど、コンビニ弁当とか、外食とかそんなイメージが…」
「毎日コンビニ弁当も高くつくんだよ。
それなら、自炊したほうがよっぽど安上がりだしな」
「そうなんだ……」
納得しながらも、ふと待てよと思う。
「でも、それなら、実家からも近いんだし、一人暮らしなんてしなければよかったのに」
「え?
あ~…、それは家からは離れたいというか、親から離れて一人暮らしがしたいというか。
まあ、いろいろとあるんだよ」
「ふ~ん」
あたしだったら、家事もしなくて三食きちんと出て来るんだもん。
一人暮らしよりも断然実家だな。
楽だもん。
「そんなことはどうでもいい。
俺、用意してくるから、お前はテレビでも見てくつろいどけ。
あんまり根を詰めるのもよくないしな」
「は~い」
素直に返事をして、あたしは圭くんの言うとおり、テレビをつける。
その間にテーブルの上に広げていた問題集や教科書ノートは片付けておいた。
片付けて、テレビのスイッチを入れたところで、携帯の着信が部屋の中に響く。
この音は、あたしのじゃない。
となると、圭くんの携帯ってことになるんだけど―――…