子供+大人=恋?の方程式
「誰?」
「へ?
あ、えっと…、静香…さん………」
そう告げた瞬間、圭くんの眉がキュッと寄った。
「わかった…」
持っていたフライパンを置くと、ガスを止め、圭くんはキッチンからこっちへと歩いてくる。
そして、未だに鳴り続けている携帯を取ると、リビングから出て行ってしまった。
狭いワンルームの部屋。
聞かれないようにリビングから離れても、距離はしれていて、さすがに静香さんの声は聞こえないけど、圭くんの声は聞こえてきて―――…
なんか、無性にこの空間にいることが悪いように感じられて、あたしは横にどけていた勉強道具一式を鞄の中に詰め込む。
静香さんの気持ちを知っているのに、この部屋にいることへの罪悪感。
それと同時に、圭くんと静香さんが連絡を取り合うような関係だということに、なぜかあたしは少しだけショックを受けていた。
「ハァ~…」
頭に手を置きながら、溜息を吐きリビングへと戻ってきた圭くん。
だけど、圭くんはあたしのことを見た瞬間、怪訝な表情をしてきた。