子供+大人=恋?の方程式
真澄はそう言うと、自分の鞄から教科書を取り出し、ブツブツと勉強を始めた。
なんとか、話を逸らすことはできたみたい。
ちょうど、この後の試験がグラマーでよかった………。
だけど、真澄の言うとおりなんだよね。
今回の数学。
苦手なあたしがここまで解けたのは、やっぱり圭くんのおかげ。
そりゃ、いきなり十位以内にアップなんてことは無理だろうけど、きっと、前よりも成績はいいはず……。
もし、成績が上がってたら圭くん、喜んでくれるかな?
そりゃ、喜ぶに決まってるよね。
家庭教師なんだから。
だけど、圭くんが喜んでくれるのは嬉しいかな………。
って、なんで!?
なんであたし、そんなこと思ってるのよ!
有り得ないんですけど!
これじゃ、あたし、まるで圭くんに恋してるみたいじゃない………。
恋っ!?
有り得ない。
それこそ、有り得ないんだけど!
自分で考えておきながら、即座に否定したりと次の時間はグラマーだというのに、あたしはグラマーのテスト勉強をすることもなく、過ごしてしまっていた。