子供+大人=恋?の方程式


「あ、あの、圭くん? 

今日はどうして? 

家庭教師の日でも何でもないよね」


「家庭教師の日じゃなかったら、来ちゃ駄目だったか?」


「え? あ、いや…」





 そんな風に言われると、どう答えればいいのか困る。


 俯いていると、急に顎を掬うように手でかけられ、上を向かされる。





 ―――え…?





 近づいてくる圭くんの顔。


 こ、これって、あたし、またキスされちゃうの!?





 ここは拒否るべきかとか考えているうちに、あたしは目を開けたまま圭くんのことを見ていた。


 縮まる距離。


 だけど、あたしと圭くんの距離が残り十センチというところで、圭くんはピタリと動きを止めた。


「こんな風にしたいと思って、会いに来たりしたらダメだった?」


「へ…?」





 まさか、圭くんはあたしに会うために、わざわざ?





 ドクン……





 微かに胸がときめいたのを、さすがのあたしも感じた。


「な~んてな」





 ―――へ?





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