子供+大人=恋?の方程式
いきなり圭くんがフッと優しそうに笑うから、なんか、言えなくなっちゃったじゃない。
「まあ、よかった。
明日もこの調子でがんばれよ」
ポンポンとあたしの頭を叩いたかと思うと、圭くんは部屋を出て行こうとする。
「えっ!?
もう、帰るの?」
まさか、本当にあたしの試験の出来だけが知りたくてわざわざ来たとか?
「ああ。
あ、もしかして、もっと居て欲しかった?」
「ち、違う!」
「あははは。
わかってるって。
俺もこれからカフェのバイトが入ってるからな。
長居はできないんだ。
それじゃな」
もう、どうしてよ。
バイトがあるなら、わざわざここまで来なければよかったじゃない。
なのに、わざわざ来てくれて―――…
そのことを嬉しいと思ってしまっている自分がいる。
嫌いなはず。昔のことを考えると、嫌いで仕方なくて、好きになんて絶対にならないはず。
それなのに、こんな風に嬉しいと思ってしまっているあたしは、認めたくなんて絶対にないけど、圭くんのことを―――…
―――好きになりかけているのかもしれない………