子供+大人=恋?の方程式
暫しの沈黙の後、
圭くんは優しい声であたしに尋ねてきた。
そりゃそうだよね。
突然、
「家庭教師の話をなしにしろ」
って言われて、
「はい、そうですか」
と言えるわけがない。
説明はきちんとしないとね。
多少、気は重いけど………。
「実は、この家庭教師の話は母が勝手に決めたことで………。
いきなり、成績が落ちたと言われたんですけど、下がったのは順位がたった一つだけで、
成績自体は全く落ちてないんです」
圭くん、この話を聞いてどう思ってるかな?
ママって、ちょっとおかしいと思ったりしてるかな?
そんな思いもあり、あたしは圭くんの顔を窺う。
もしかして、笑ってたり………。
そんなことを思いながら、顔を上げたあたし。
だけど、圭くんはあたしが心配していたように笑ってたりはしていなくて、真剣な顔で何かを考えているようだった。
「茅乃はこの話は望んでなかったんだね?」
「………は、はい…」
「そうか………」
ん?
なんか、話が通りそうな雰囲気だぞ?
拓斗の話を聞いていると、圭くんは女嫌いで俺様な性格だって言ってたけど、そんなことなくない?
すごく優しそうだし………。
なにより、話がわかるみたいだし………