子供＋大人＝恋？の方程式

「雅紀からか？」


「違うよ。

あの講義に出てた奴が言いふらしてた。

元倉さんは、ミスキャンパスにもなったしな。

有名だから、すぐに噂とか広まるんだよ」


「そっか…」





　それは、いろいろと大変なんだな。


「それを聞いて思ったんだよ。

彼女、追い詰められてるんじゃないかって」


「追い詰められる？　誰に？」


「誰にって――…。自分にだよ。

圭史のことが好きすぎて、自分の物にしたい。

だけど、そうならない。

そのことに、自分で自分を追い詰めてるんじゃないかな？」





　コウの言っていることは、今いち俺にはよくわからないのだが―――…


「それって、自分で自分のことを追い込んでいるってことか？」


「そうだね。

思いつめてるかも。

そういう奴って、怖いじゃない？　

自分で自分のことを抑えられるぐらいならいい。

でも、抑えられなかったら？　

元倉さんって、ミスキャンパスにも選ばれるぐらいの美人だろ？　

だから、その分、プライドとかも高そうじゃん？」





　―――確かに…。


　でも、逆に俺は、それほどプライドの高い静香だから、俺との関係も割り切っていると思っていた。


　執着してくることはおろか、みっともないことなんてしてこないだろうと。


　だから、関係をやめようといって、それを拒否するなんて俺は思ってもみなかったんだ。