子供+大人=恋?の方程式
肝心なことは教えてくれなかった茅乃。
何もないと言っていたけど、明らかに茅乃の様子はおかしかった。
あの家庭教師の日だって、真鶴(まづる)さんは茅乃は随分前に帰ってきてたってことを話してた。
なのに、部屋に入った時、あいつは焦ったように制服から着替えてたし―――…。
きっと、何かあったんだ―――…
「―――圭史?」
考え込んでいたところ、突然問われて、俺はハッとした。
「あ、わりぃ…」
「いや。
僕がいきなりこんなこと言ったから、心配になったんだろ?
だけど、真面目に元倉さんのことは考えたほうがいいと思うんだ。
茅乃ちゃんに何かしないか、用心していたほうがいいと思う」
「―――そうだな…」
全く、恋敵の俺に、わざわざ忠告してくれるなんて、コウらしい。
だけど、俺は未だにわからないんだよな……。
「なあ、コウ。
お前、どうして茅乃のことを好きになったんだ?」
コウが茅乃に出会ったのは、あのテーマパークが初めてだ。
まさか、コウに限って一目ぼれだとか言わないよな?
誠なら、大いにありえそうだけど―――…