子供+大人=恋?の方程式





 肝心なことは教えてくれなかった茅乃。


 何もないと言っていたけど、明らかに茅乃の様子はおかしかった。


 あの家庭教師の日だって、真鶴(まづる)さんは茅乃は随分前に帰ってきてたってことを話してた。


 なのに、部屋に入った時、あいつは焦ったように制服から着替えてたし―――…。





 きっと、何かあったんだ―――…


「―――圭史?」





 考え込んでいたところ、突然問われて、俺はハッとした。


「あ、わりぃ…」


「いや。

僕がいきなりこんなこと言ったから、心配になったんだろ? 

だけど、真面目に元倉さんのことは考えたほうがいいと思うんだ。

茅乃ちゃんに何かしないか、用心していたほうがいいと思う」


「―――そうだな…」





 全く、恋敵の俺に、わざわざ忠告してくれるなんて、コウらしい。


 だけど、俺は未だにわからないんだよな……。


「なあ、コウ。

お前、どうして茅乃のことを好きになったんだ?」





 コウが茅乃に出会ったのは、あのテーマパークが初めてだ。


 まさか、コウに限って一目ぼれだとか言わないよな?


 誠なら、大いにありえそうだけど―――…





< 372 / 509 >

この作品をシェア

pagetop