子供+大人=恋?の方程式
「―――静香…さん……」
「そっ! その人!
なんか美人だけど、わざわざここまで来るって行動力からして、ちょっと、怖いじゃない。
普通の人はそこまではしないと思うんだよね。
おまけに、その頃の茅乃たちって、付き合ってたわけじゃないでしょ?
それなのに、来たぐらいだし。
その人のことを心配してじゃない?」
この前、会った時のことを思い出すと、未だに、訳のわからない恐怖が込み上げてくる。
忘れようと思ってた。
だから、記憶から消そうとして、あたしは静香さんの存在自体を思い出さないように心がけていた。
そのおかげで、この一週間は、突如不安に襲われることもなかった。
だけど、現実逃避みたいに逃げていちゃダメなんだ。
だって、現実には何も解決なんてしてないんだから。
それにしても―――…
真澄に言われて、静香さんのことを思い出したら、圭くんがなぜ拓斗に一緒に帰るように頼んだのかわかった。
だけど、あたし、あの時の帰り際の静香さんとのことは一言も言ってないのに―――…
それなのに、こんな風に拓斗に頼んでくれるなんて――――…
なんか、うれしい―――…